<評価基準>
■ストーリー … 脚本、設定も含めて、破綻がないか。テーマ性を貫けていたか。そしてオチがしっかりしていたか等。
■キャラクター性 … キャラクターの魅力。キャラクターと声優の声のイメージが合っているか等。
■画 … キャラクターデザインに忠実か。作画の破綻、崩壊がないか。よく動いてるか等。
■演出 … 声優の演技。盛り上がりを作れているか。BGMや挿入歌が効果的に使われているか。カメラワークや構図の工夫。各話の引き等。
■音楽 … OP・EDが作品の雰囲気に合っているか。BGMや挿入歌の評価等。
■総合評価 … この作品を面白いと思ったか、また満足度。他人に薦められる作品か等。
※評価基準は0〜5の各5点満点。
<『おとめ妖怪ざくろ』の評価>
■ストーリー … 4点
『恋愛』をテーマに据えつつ、主要人物の交流や過去、そして『人間』『妖怪』そして『半妖』が抱える存在意義への疑念や葛藤を通してそれぞれの『絆』を描いた作品。
『機動戦士ガンダム』から続く『
分かり合えるか、分かり合えないか』を地で行くストーリー展開は実に王道だったと思います。
まだ原作は完結していないようですが、西王母桃にまつわる因縁にきちんと決着を付け、妖人省も存続する…といった一連のストーリーも丁寧かつ綺麗に回収されていたのにはとても好感が持てました。
# 逆に、2期以降も続けるとするなら弊害になり得る部分ではあるのですが…。
また原作者である
星野リリィさんの日記にて、ストーリーやキャラクター性を補完する漫画が掲載されたりもして、こちらもアニメと合わせ楽しませてもらいました。
これは今まで放映されてきたアニメでも、異例中の異例の出来事ではないでしょうか。
そういった意味で、非常に恵まれていた作品だったのでは…と思うのです。
■キャラクター性 … 4点
お互い素直になれない西王母桃と総角、不器用同士の利剱と薄蛍、場を振り回す立場の雪洞・鬼灯とそれに振り回される(笑)丸竜。
三者三様の恋愛模様は観ていて飽きないものがありました。
特にその能力ゆえに内気で臆病な薄蛍を、不器用ながらおおらかな優しさで包み込む利剱様マジ利ケメン。(笑
他には、桐と桜の掛け合いに毎回笑い癒されてました。
あれって完全に中の人のアドリブらしいですね…役者魂ってスゲェ。(笑
しかし
杉田智和さんのツイートを読んでからというもの、櫛松がもうイヌーピーのイメージしか無くて笑いが止まらなくなるから困る。(笑
■画 … 4点
物語の世界観が文明開化の時代をモチーフとしており、全体的にロマンチズム溢れた作風となっているのもこの作品の特徴ではないでしょうか。
西王母桃達の袴姿や総角達の軍服に見られる服飾、牛乳・ビスケットといった食文化、西洋式のガス灯・鉄道馬車・洋館での晩餐会など、歴史を感じさせるものが多く描かれていて歴史好きな自分としてはニヤニヤしながら観ていました。(笑
■演出 … 4点
1話での花見や戦闘シーンにおける『花びらが舞う』演出に見られるスタッフの頑張りや、中原麻衣さんらを始めとするキャストの迫真の演技等は個人的に評価したいポイントですね。
原作者や
キャスト陣のインタビューを読んでみても、原作者とスタッフ・キャストが一丸となって良いものを創り上げようって姿勢が感じられました。
■音楽 … 3点
『狂乱家族日記』の時みたく、EDテーマが三種類のキャラクターソングというのが良かったですね。
この中では丸竜と雪洞・鬼灯が歌う『純情マスカレイド』がお気に入り。
他にも恋する乙女の純情を歌ったOPテーマの『Moon Signal』も、作品の雰囲気に合っていて良かったかなぁ、と。
■総合評価 … 4点
ここまで原作者・スタッフ・キャストの『愛』が感じられる作品も珍しいと思います。
ここでの総合評価もそれに対する個人的な評価が前提にある、ということで。
# 4点なのは、あくまで他の項目を加味して総合的に判断した結果となります。
これも2期があるなら期待したいところですが、作品として綺麗に終わっているが故に逆にこのままの方がいいかも…とも思ってしまう複雑な心境。(笑
■総合点 … 23 / 30点
ベタベタの恋愛モノ、歴史ロマンが好きな人、動くバトルシーンが観たい人にオススメ。
作品としても良くまとまっているので、色々な人に幅広く勧められる稀有な作品。