あ行

アークジェットエンジン

電気推進の一種であり、LEVが使用している推進システムのこと。

アーマーン計画

「オービタルフレームの父」と呼ばれるリコア・ハーディマン博士によって立案された計画。
その目的は火星の衛星フォボスに建造された軍事要塞「アーマーン」の空間圧縮効果により太陽系全域を巻き込むほどのエネルギー収縮を引き起こし、全ての人類を抹殺することであった。
中央部に建造されたウーレンベック・カタパルトは、地表に向けることで全てを飲み込む強力な衛星兵器となり、強化プログラムによって覚醒したジェフティに多大なダメージを与えたほどの驚異的な破壊力を誇る。
だがアーマーンを起動及び停止するためには、そのためのキーが必要である。その役割を担うのがアンティリアにて極秘裏に開発された2体のOF、アヌビスとジェフティなのである。
(恐らくはハーディマン博士が一種の安全装置としてそう設計したのであろう)

計画を察知した連合宇宙軍は、2172年にアンティリアを武装占拠。アヌビスとジェフティを管轄下に置いた。
バフラムはこれを奪還するべく、多数のOFを投入してアンティリアを襲撃する。
ジェフティの奪取にこそ失敗するもののアヌビスはハーディマン博士の息子であるノウマンの手に渡り、以降計画は急速に推進されることになるが、アーマーンの起動直前に再びジェフティが現れアーマーンは消滅。
結果的に計画は阻止されることになった。

アーマーンとは、エジプトに伝わる「死者の書」の中で、アヌビスとジェフティの背後に控えている魔獣の名。
死者の心臓をアヌビスの持つ天秤に掛けることによって有罪とされた者たちの魂は、アーマーンの餌食になるという。

アジャスターホイール

軌道エレベーターに配備されている緊急用システム。
アンカーステーションの損壊によって軌道エレベーターのバランスが崩れた場合、倒壊を防ぐためにホイール(歯車)状の重量リングをエレベーターに沿って上に押し上げてバランスを取る。
地球軍の必死の防衛にも関わらず第一〜第三ホイールは破壊されてしまったが、ドロレスらOFの決死の行為により最終ホイールはバランスポイントに到達、軌道エレベーターは倒壊の危機から辛くも逃れた。

アニムス

心理学用語。本来はラテン語で「魂」の意味で、精神医学者ユングが「人格の表層に現れず、自分を補償するために内在された自己と相反する存在」の男性形であると表現した。
(ちなみに女性形は「アニマ」という)

ゼフィルスは自らの研究成果を「進化した魂」と捉え、開発した機体に「アニムス」シリーズというコードネームを付けた。

アンチステルスソナー

ステルスの効果を無効化、または弱体化させる機能を持った装置。
その効果には目を見張るものがあるが、一定の距離まで近づかなければ効果を発揮できないという欠点もある。

アンチプロトンリアクター

=反陽子生成炉。メタトロン製のリアクターによって反陽子を生成、これを陽子と衝突させることで対消滅を起こし、それによって発生したエネルギーを動力や電気エネルギーに変換するという半永久機関。
メタトロン関連技術の一つであり、メタトロンの有効な利用法の一つでもある。
OFがコンパクトかつ高性能であるのは、これを持つことに他ならない。

アンティリア

木星資源の採掘支援基地として、木星エウロパのL5にあたる位置に建設されたトーラス型コロニー。
民間人の生存域としては最遠の地であり、木星のヘリウム3やカリストのメタトロン鉱物資源の採掘・輸送作業のための労働者の居住コロニーとして約10万人が生活している。
ダイモス事件以降、火星からN.U.T.社の研究開発施設が移設。OFの研究が進められていたが、2172年、OFへの脅威とメタトロン資源確保のため、UNSFによる武装占拠が行われた。

アンティリア事件

2172年、UNSFによって武装占拠されたアンティリアをバフラムが襲撃、駐留していたUNSFを全滅させた事件。
この戦闘には、史上初めてOFが大規模に投入され、LEVとの圧倒的な性能差を見せつけることになった。
バフラムはこの戦闘を、地球による圧政と搾取からの開放と謳っているが、真の目的はアンティリアで極秘に開発された2体のOF最新鋭機を奪取することにあった。その内の1機であるアヌビスは指揮官であるノウマンが奪取に成功。一方のジェフティは副官のヴァイオラが奪取するはずであったが、偶然その場に居合わせた民間人(レオ)に阻まれ失敗した。
一般には「アンティリア事件」と呼ばれており、バフラムだけが英雄気取りで「アンティリア戦役」あるいは「アンティリア解放」と喧伝している。

ウーレンベック・カタパルト

空間の歪みとその復元力を利用して超高速での空間航行を可能としたメタトロン関連技術。
高エネルギーを与えたメタトロンを高速で回転させると、軸方向に見かけ上の空間を引き込むような効果が観測され、それはゴムの様に急激に復元しようとする。この効果を得るには膨大な電力と容積が必要であり、通常船舶に搭載可能なサイズまでの小型化は現在に至るも達成されていない。
(超大型船舶になら搭載は可能だが、この場合は船の大きさがカタパルトのキャパシティをオーバーしてしまうために自前で搭載しなくてはならないというのが実状)
そのため軌道上の宇宙港などに専用施設を建設し、これを利用するのが一般的な宇宙交通の手段となっている。宇宙船を打ち出すためのシステムなので、受け入れ側は特別な施設を必要としない。
天体の重力の影響を避けるため、通常は重力均衡点(ラグランジュポイントや衛星の中心)に建設される。

20世紀初頭の物理学者、George Eugene Uhlenbeckの名を取ってこの名前が付けられた。
日常的には単に「カタパルト」と呼ばれている。現在、地球圏ではL2に300基以上の、火星圏には衛星ダイモスに唯一のカタパルトが設置されている。木星圏ではエウロパのL2にあたる位置にカタパルトがあり、アンティリアの玄関となっている。

ウィスプ

ジェフティとアヌビスに装備されているリアクティブ・マニューバ。
サポートや遠くに離れた対象を引き寄せるなどといった用途に用いられ、攻防において主機体との完全なリンクを保ち、主機体の行動に追従して攻撃・防御を行う。
特にアヌビスに装備された羽状のウィスプは、高機動スラスターやベクタートラップ発生用のジェネレータとしての役割を担うことからその汎用性は高い。

アージェイトの持つシステムには、最小限の指揮系統にて多数のマニューバのコントロールを行う機構が採用されている。
またネフティスには、攻撃時は用途に応じてブラスター/ブレードに切り替わるマルチプルウェポン、防御時にはベクタートラップを応用したシールドの発生装置としての機能を持つものが装備されている。
これらはアヌビスにおけるウィスプ・システムの基礎解析データを独自に発展させたものであり、まさに優れた科学者たるロイドが作り出した画期的なシステムだと言えるだろう。

ウインドファーム

火星の電力は、主に木星で汲み上げたヘリウム3と重水素を磁場封じ込め方式で反応させる核融合炉で供給されているが、火星名物の強風を活かした風力発電も積極的に活用されている。
管理は自動化されており、通常は無人だが、定期点検では大勢の人間が滞在するので、居住設備(トイレ、バスルーム、医務室、LEVのメンテナンス施設等)は整っている。
風向が一定しないため、風車はダリウス型が採用される場合が多い。飛行機の羽根と同じ翼断面を持つブレードを、弓形に曲げて垂直軸に取り付けた形の風車で、効率は良いが一旦止まると自力では回転を始めることができないという難点がある。そのため、先端にスターターとして小型の風車が取り付けられている。

ウェアラブル・プレーヤー

着衣に身につけて持ち運ぶタイプのプレーヤー。
服に付けて携帯する事に特化しているために性能的に優れているとは言い難いが、録音・再生機能を備えておりボイスメモ等の一通りのことは可能である。

ケイジが常に身につけているボタンは一昔前のものであり、アレスと出会うきっかけとなった思い出の曲が録音されている。

ウエストヘラス

ヘラス海の海岸近くに位置するヘレスポントス最大のネスト。
アレスはここを「マレブランケの光」によって消滅させようとした。

エクストラパーソン

コロニー居住者も含めた地球外に生活する人々を指す総称。
一般的にエクストラパーソンは「壁の一歩向こうは死の世界」との共通認識から、仲間意識・運命共同体意識が強く、民族・人種差別主義的な思想が希薄である。
現在エクストラパーソンの人口は合計で約28億人であり、人類総人口の17.5%にあたる。

エリシウム・カウンティ

四方を海に囲まれた火星圏唯一の島国。リゾート地として栄えている。

エンダー

「辺境に住む人々」の意。「田舎者」のような意味合いで使われる。
地球から見れば火星以遠に住む人々を指し、火星から見れば木星圏に住む人々のことを指す。

オーバーメガドライバー

アヌビスの尻尾にあたる部分のコードに接続して使用する機器らしい。
詳細不明。

オービタルフレーム(OF)

バフラムで開発された戦闘用機動兵器。
メタトロンを各部に使用することにより、LEVを遥かに凌駕する機動性、攻撃力を有する。